2025年7月18日
【卒業生お仕事図鑑】日本マイクロソフト株式会社
【卒業年月】2022年3月
【卒業学科】国際関係学科
【卒業高校】尼崎市立尼崎高等学校(兵庫県)
勤務先の企業
日本マイクロソフト株式会社に勤務しています。
マイクロソフトのミッションは、「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」です。WindowsやOfficeといったソフトウェアで知られていますが、現在ではクラウド(Azure)やAI(Copilot)、セキュリティなどを通じて、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)、AX(AIトランスフォーメーション)を支援する「変革のパートナー」としての役割を強めています。
また、単に企業のデジタル化をサポートするだけでなく、脱炭素や社会貢献、教育支援など、社会課題の解決にも積極的に取り組む企業です。
現在の仕事を選んだきっかけ
マイクロソフトはサマーインターンをきっかけに知り始めました。実際に社内で働く中で、お会いするすべての社員の方が人想いでインクルーシブなところに惹かれました。加えて、世界トップのIT企業として利益を追及するだけでなく、テクノロジーを駆使した脱炭素推進や発展途上国のインフラや教育支援に本気で取り組んでいる点も強く共感をしました。
シンガポールオフィスの同僚との写真
現在の仕事内容
現在は、日本の中堅?準大手企業のお客様法人の製品営業(Solution Specialist)として、Microsoft 365(Teams, Outlookなど)、セキュリティ製品 (EntraID, Intuneなど)、AI(Copilot、Agent)などのソリューション提案を行っています。ここ数年は、生成AIの社内導入支援や、エージェント活用提案も行っています。
マイクロソフトは、生成AIなど新しい技術を、まずは自分たちが最初の顧客(カスタマーゼロ)として社内活用を進める文化があります。生成AIの社内活用の一環として昨年9月に開催された生成AI活用プレゼン大会では日本代表としてアジア大会に出場し、優勝を経験しました。?
プレゼン大会の様子
働き方はフレキシブルで、在宅や出社は選べてフレックスタイムなので、仕事とプライベートを両立しやすい仕事環境です。そのおかげで、プライベートでも大阪万博のイベントに登壇したり、国際会議を開催したり参加したり、4月からロンドン大学に入学したり、ワークとライフをバランスしやすいと感じます。
大阪万博シグネチャーパビリオン「いのちめぐる冒険」の河森監督との対談の様子
神戸市外大を選んだ理由
語学力を伸ばすだけでなく、「国際社会が抱えるリアルな問題を、学際的に理解したい」という思いから外大を志望しました。特に国際関係学科は、国際政治、人口学、エネルギー、安全保障、経済、文化など幅広く学べる点が魅力的でした。
また、オープンキャンパスの際には教授や職員の方が親身に相談に乗ってくださり、規模の小さい大学だからこそ、学生一人ひとりにチャンスが多く、教授との距離も近く、学びを深めやすい環境があると感じたのも理由の一つです。
神戸市外大で楽しかった授業
国際機関論
国連やWTOなどの仕組みを具体的な事例とともに学び、将来の自分の目標とも直結していたため、非常にモチベーションが高まりました。当時は1年生が2人しかいなかったのですが、3年生4年生の国際政治や国際機構に関する深い理解と知識に感激したことを覚えています。
人口論
人口動態から日本社会のみならず国際関係の未来を読み解く視点は新鮮で、SDGsとのつながりにも興味を持ちました。海外キャリアを見据えるからこそ日本のことを知る必要があり、一番予測しやすい人口動態を軸に今後の社会保障やビジネスについて考えることの意義は大きかったと思います。
フランス語
兼修言語として履修しましたが、文法だけでなく、フランスの文化や価値観も知ることができました。現在もフランス語の勉強は続けており、DELF B2の試験(フランス語能力を測る資格試験)も受験予定です。
大学3年時に参加した模擬国連の様子
在学中の思い出
BBQをしたり旅行に行ったり今でも時々に連絡をとる友人と出会えたことが一番の思い出です。
授業前後でクラスメイトと授業の課題の準備をしたり意見を交換することも有意義な時間でした。
あとは、私が自由奔放でマイペースな性格なので、様々な場所でいろんなプロジェクトに関われたのもとても良い経験でした。休学を含めた5年間で、東京五輪の食品ロスからドバイ万博事業、NY模擬国連やハッカソン、卒論と並行して進めた3つの長期インターン、高齢者向け栄養管理アプリの開発やお化け屋敷でのアルバイト、ヒッチハイクや英検?仏検勉強など、自分で考えて行動する基礎的なリズムが身についたと感じます。
?卒業論文では「超高齢社会と炭素税の逆進性」をテーマに研究しました。ゼミの先生にもご支援いただきながら環境政策と社会保障が複雑に絡み合う分野に初めてに取り組みました。自分の関心の軸である脱炭素社会の文脈と国内政策を現実的にバランスさせることの難しさを実感した時間でした。とても楽しかったです。
就職活動時の外大生の強み
外大生は「語学ができる人」以上に、「国際的なテーマに関心が深く、自分の言葉で語れる人」という評価を受けやすいと感じました。国際関係学科で語学+αの授業が多かったこともありますが、宗教から異文化、貿易対立まで幅広いトピックにアンテナを張る機会が多かったことが評価につながったと思います。
実際に、外資企業では「その国際感覚をどう活かしたいのか?」という質問が多く、外大での学びや活動は説得力を持って語ることができました。「Think globally, Act Locally」とよくある教授が仰っていたことを覚えていますが、考えて学ぶだけでなく、自ら行動に移していったその経験の積み重ねが説得力をもって評価頂いたと思います。
大学4年時の大阪?神戸米国総領事館でのインターンの様子
神戸市外大での学びが社会で生かされていると思うこと
「異文化理解」や「多様な価値観を尊重する姿勢」
現職の営業という仕事は、単に商品を売るのではなく、お客様の立場に立ち、課題を深く理解し、一緒に考えることが求められます。これはまさに外大で学んだ「他者視点」の実践だと思います。
論理的に考え、わかりやすく伝える力
プレゼンや提案資料を作成する際に、国際関係論での議論やレポート作成で培ったスキルが非常に活きています。準備が9割という言葉がありますが、納得するまで情報収集?整理をして何回も練習するという、基本的な姿勢が身についたと思います。
マイクロソフトが主催する国内最大規模のAIイベント「AI Tour Tokyo」にてサステナビリティブースを担当している様子
在学中にしておけばよかったと思うこと
データ分析、Pythonなどのプログラミング
営業職とはいえ、今はAIやBI(ビジネスインテリジェンス)を使って分析やシナリオ設計を行う機会が増えており、もっと早くからITリテラシーを高めておけばよかったと感じます。私自身は現在、ロンドン大学でコンピュータサイエンスを学び直していますが、大学時代にPythonやSQLなどを少しでも触っておけば良かったと感じています。
教授との対話
卒論でほぼ初めて一人の教授に一つのトピックについて意見交換をして自分の考えをブラッシュアップする経験ができました。振り返ると、自分の考えをまとめて発表してフィードバックをもらう繰り返しの作業はとても効率が良い学習方法だと感じます。授業前後や、履修していない授業の教授にも質問と対話の機会を習慣化できていたら、社会人になってから専門性を自ら築くことに苦労しないのかと思います。
大学3年時のドバイ万博での海外インターンの様子
受験生?外大生へのメッセージ
語学は「目的」ではなく「手段」です。外大は、語学の先にある「世界の構造」や「社会の課題」に目を向ける場所だと思います。そして、その課題に対して「自分はどう関わるか」を真剣に考える仲間がたくさんいます。
夢が明確でなくても、目の前の学びに真剣に向き合うことで、道は自然と開けていきます。私自身も、外大での学びが今の仕事や夢につながっていますし、大学でやりきれなくても社会人でたくさん楽しいチャレンジができます。勇気を持って、一歩を踏み出してみてください。どこかでお会いしましょう!
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